あなたのための短歌集(木下龍也著)ナナロク社

よう、最近また違う人の車に乗り込もうとしちまった張飛だ❗(今回は、ドアを開けるまえに気づいて良かった)

まず、最初に俺の短歌が2月22日(木)の産経新聞の産経歌壇(小島ゆかり選)に掲載されたから紹介させてくれ❗ペンネームは石井啄也だ。これだ❗

一列で登校をする子供らの頭の階段風が降りてく

2月22日(木)の産経新聞の産経歌壇(小島ゆかり選)

俺が朝戦場に向かっている途中に、登校している子供をよく見かける。だいたい何人かで一緒に登校していて、上級生が一番前で下級生が一番後ろの順番で歩いていることが多い。そうすると、背が高い順から低い順に階段みたいになってて、風が吹くとその階段を降りているような気がして作った。選者に、心から感謝したい。

そして、嬉しいことに読書アプリ「ブクログ」の友達の☆ベルガモット☆、5552、まことの短歌も前回のブログ以降掲載されたから紹介したい❗

まず、☆ベルガモット☆の短歌だ❗雑誌 『短歌 2024年2月号』  に佳作として紹介された(千葉聡選)短歌がこれだ❗お題は「怖い」。

アレクサに呼び捨ての名で呼ばれたり明日の天気をたずねただけで

評 「アレクサの方が人の上に立っているみたいです」

『短歌 2024年2月号』角川文化振興財団

ブクログの☆ベルガモット☆のコメントによると、アレクサは普段はさん付けで呼んでくれるそうだが呼び捨てのときがあったそうだ。アレクサが感情を持った感じで面白い。

現代的なロボットのアレクサのことを文語「呼ばれたり」で詠んでいる点もギャップがあっていいなあ、と思った。将来的にAIが発達して感情のようなものを持ったら、この短歌のようなことが頻繁に起こるかも、とか想像すると確かに「怖い」というお題の通りだと感じた。

そして、以前このブログで紹介したNHKラジオ「文芸選評」で紹介された☆ベルガモット☆の短歌が 『NHK短歌 2024年3月号』 に掲載された❗テーマは「昭和レトロ」(笹公人選)。

展開はW浅野のごとき恋若きワンレングスの私よ

『NHK短歌 2024年3月号』NHK出版

次に、5552の短歌を紹介したい❗まずは、ラジオ石巻短歌部カプカプたんたか短歌というラジオ番組の会報に掲載された短歌だ❗お題は「葉」(天野慶選)。

ブロワーを巧みに操るおじさんの夢見たハリー・ポッターの杖

『ラジオ石巻短歌部カプカプたんたか短歌会報』

5552がnoteに書いていた記事によると、「ブロワー」というのは、落ち葉掃除の人が使っている機械のことで、機械から勢いよく出てくる風を使って落ち葉を集めるそうだ。

『NHK短歌 2024年3月号』の「仕掛けよう、光る表現」という歌人・川野里子の書いた記事にこんなことが書かれていた。

結句は驚きを効果的に働かせやすい句です。

『NHK短歌 2024年3月号』NHK出版

5552の短歌では、4句から結句にかけて登場する「ハリー・ポッターの杖」に驚かされる。と同時に、ブロワーの動画を見ると確かに魔法っぽい感じもして共感できる。とても現実的な「ブロワー」と幻想的な「ハリー・ポッターの杖」のコントラストがこの短歌を魅力的な短歌にしていると感じた。

そして、5552の短歌は 『NHK短歌 2024年3月号』 のお題「ごめん」で佳作秀歌(吉川宏志選)となった❗その短歌がこれだ❗

葱刻む透明な液滲み出てごめんわたしが傷つけていた

『NHK短歌 2024年3月号』NHK出版

「葱」から出る「透明な液」から、こういう短歌を作れるところに、5552の優しい人柄を感じた。また、「葱」と「液」という響きが近い言葉が置かれていて声に出したときの調べもいいなあ、と思った。

そして、以前このブログで紹介したNHKラジオ「文芸選評」で紹介された5552の短歌が『NHK短歌 2024年3月号』 に掲載された❗テーマは「私の癖」(小島なお選)。

カフェ・ラテを満腹になるまで飲んでカフェ・ラテ味のゲップになごむ

『NHK短歌 2024年3月号』NHK出版

気づけば、去年の短歌ください以来の雑誌の同じページに☆ベルガモット☆、5552の短歌が掲載されるという快挙である❗

そして更には、まことのエッセイ、文章つきの短歌が2首『NHK短歌 2024年3月号』 に掲載された❗まずは、#短歌写真部部室に掲載された文章と短歌だ❗

NHK短歌写真部は、月に何作でも投稿できるのが嬉しいです。採用されなくても、X(旧 Twitter)にすぐ、反映されるのも嬉しいところです。

私から投稿とったらどうなるの?投稿ロスになっちゃうかもね

『NHK短歌2024年3月号』NHK出版

「投稿ロス」という言葉にユーモアが感じられて、とても面白い。まことは、1月号から3か月連続で短歌写真部に写真や文章、短歌など様々な形で掲載される大活躍である❗

そしてまことは、同じく 『NHK短歌 2024年3月号』 の「読者はどっちをよむ?」のコーナーにエッセイと、短歌が掲載された❗これだ❗

まことの果物愛、山形愛が伝わってきて心がとても温かくなった。短歌も結句の「ござっしゃい」という方言が入っているのが短歌の内容にぴったりでいいなあ、と思った。ブクログのまことのコメントによると「ござっしゃい」は「いらっしゃい」という意味らしい。俺も方言を入れた短歌を作りたくなった。

今月号のNHK短歌は「ブク友ほむほむ短歌会」祭り❗と言いたくなるようなみんなの活躍で嬉しくなった❗俺も来月以降NHK短歌に掲載してもらえるよう頑張って作歌に励んでいきたい❗

あらためて、みんなおめでとう❗じゃあ、今日もおすすめの本を紹介するぞ❗

歌人の木下龍也が依頼者からのお題をもとに作った短歌の歌集

こんな奴におすすめ❗

  • 口語で作られた比較的分かりやすい短歌を読みたい奴
  • 人生を生きぬいていくうえでのエールのような短歌を探している奴

概要

この歌集は、他に類を見ない歌集である。なぜかというと、この歌集に収録されている短歌はすべて依頼者からの想い(お題)をもとに作られた短歌だからである。

歌人・木下龍也による短歌の個人販売「あなたのための短歌1首」。依頼者に届けられた短歌は4年間で700首。本書では、そのうちの100首が収録されている。

木下龍也は、1988年生まれのまだ若い歌人だが『群像』という雑誌で短歌の投稿コーナーの選者をつとめたり、活動の様子をテレビ番組の「情熱大陸」が紹介するなど、人気、実力共に抜群の歌人だ。

俺が短歌を始めた頃からずっとリスペクトしている歌人である。この歌集は、右のページに依頼者からの想い(お題)が掲載されていて、左のページにそれに対して作られた短歌が掲載されている。お題は、様々で結構深刻な悩みに関するものもあった。想像するだけでも、短歌を作るのはかなり難しかったのでは、と思う。

それだけに、一つ一つの短歌を読む時に胸が熱くなるような感じで、こんなにじっくり考えながら歌集を読んだのは初めてかもしれねえ。いくつか、お題と短歌を紹介したい。

好きな人に告白するか迷っています。この気持ちを短歌にして下さい。

そのラブレターに足りないのは勇気という唯一買えない切手

『あなたのための短歌集』木下龍也著(ナナロク社)

この短歌で依頼者の迷いは吹っ切れたのではないだろうか。「勇気」は確かに「買えない」が、誰もが持っているものだと思う。

教室を生き抜くための短歌をください。

違いとは間違いじゃない窓ひとつひとつに別の青空がある

『あなたのための短歌集』木下龍也著(ナナロク社)

「違い」と「ひとつ」のリフレインが韻律の心地よさを生み出している。

漫画に携わる仕事をしています。自分の人生を肯定してくれる短歌をお願いします。

読み終えて漫画の外にいるきみもだれかを救う主人公だよ

『あなたのための短歌集』木下龍也著(ナナロク社)

自分にしか救えない人が、必ずどこかにいるのかもしれない。

私は梅雨の時期に生まれました。雨が好きで、雨の短歌を詠んでいただきたいです。

部屋にいる以外をしない雨の日の炎のようなあなたの寝癖

『あなたのための短歌集』木下龍也著(ナナロク社)

「雨」と雨から最も遠い存在であるはずの「炎」が結びつくところに面白さを感じた。

現在、就活をしており、進路に悩んでいます。学んできた理系分野を活かすか、気になる出版関係や書店関係に行くか悩みます。とはいっても、そもそも受かってもいないのに悩んでいるのも変だと更に悩んでしまいます。決めることが苦手で、研究室選びでも吐くくらい悩みました。決めて、ダメだったら修正していけばいいと分かっていても、踏み出すことが怖いです。今後の人生でも、たくさんの選択で悩んでしまう予感がしています。そんな時に自分は大丈夫だと思えるような短歌をお願いします。

「悩む」とは想像力に火をつけて無数の道を照らすことです

『あなたのための短歌集』木下龍也著(ナナロク社)

「悩み」というのはある意味、火を起こすときの薪のようなものなのかもしれねえ。

まっすぐ生きたい。それだけを願っているのになかなかそうできません。まっすぐに生きられる短歌をお願いします。

「まっすぐ」の文字のどれもが持っているカーブが日々にあったっていい

『あなたのための短歌集』木下龍也著(ナナロク社)

確かに、「まっすぐ」は全部カーブがある。寄り道して発見できることもあるに違いない。

人生のどん底にいる人へ、一筋の光のような希望を与える短歌をつくってほしいです。将来、夢を叶えられなくて絶望したり、大切な何かを失ったりしたとき、生きていくために口ずさめる歌がほしいです。

絶望もしばらく抱いてやればふと弱みを見せるそのときに刺せ

『あなたのための短歌集』木下龍也著(ナナロク社)

命令形の結句に、なんとしても依頼者に苦難を乗り越えていってほしいという著者の気持ちが込められている気がする。

お題は「12月」でお願いします。私にとっての12月は自分の誕生月であり、祖母と夫と長男の誕生月でもあり大好きなクリスマスがあり、年末の忙しさとともに楽しい大切な月です。

しあわせをひとりひとりに配り終え手ぶらで去ってゆく十二月

『あなたのための短歌集』木下龍也著(ナナロク社)

この歌集で一番好きな短歌。「十二月」がめちゃくちゃかっこよく思えた。

まとめ

あとがきに書かれているが、この歌集の印税を著者は受け取らないという。かわりに、印税に相当する金額を、全国の本屋さんで様々な歌集を購入する費用に充てて、その歌集は短歌の普及のため、希望する施設に寄贈するらしい。著者の人間性がうかがえるエピソードである。

このエピソードを読んで俺はドイツの物理学者、アルバート・アインシュタインの次の言葉を思い出した。

名ばかりの成功者になるよりも、真に価値ある人間になれるように努力しよう。

『世界の偉人×賢人の知恵 すごい名言100』遠越段著(総合法令出版)

また、あとがきで著者はこうも書いている。

歌集の構成上、お送りいただいた短歌のうち、この本に収めることのできたもの、できなかったものがある。けれど、そこに差はない。僕はどの短歌にも注げる力のすべてを注いだという自負があり愛着がある。

『あなたのための短歌集』木下龍也著(ナナロク社)

短歌に対する真摯な姿勢を見習いたい、そう強く思った。

最後に

最近、お腹回りがぽっちゃりしてきたから近くにある丸亀城というお城へ行ってウォーキングをした。

これが案内図。城の周りをウォーキングしたり、ランニングしたりしている人をよく見かける。

天守閣に行く途中にある急な坂。この坂をダッシュで登る大会もあるそうだ。

天守閣に行く途中には高浜虚子の句碑もあった。

丸亀城の天守閣。

天守閣付近から遠く瀬戸内海をみる。微かにではあるが彼方には前回のブログで紹介した瀬戸大橋が見える。とても心地のいい時間を過ごすことが出来た。

それと余談だが、先週香川県に旅行に来ているオランダ人と話をする機会があった。彼はフィリピンで仕事をしていて、仕事の時は英語を話すという。日本語も勉強していて、少し話すことができる。とても気さくで優しい人だ。

俺は、彼に「英語を話せるようになりたい」と言った。すると、彼はスマホを取り出して画面を見せてくれた。そこには、「Duolingo」 という文字があった。Duolingoというのは言語学習のアプリらしくて彼はそのアプリで日本語を勉強しているらしい。このDuolingoで英語を勉強してみたら?と彼はアドバイスしてくれた。

調べてみると、このアプリは無料で使うことができる。実際にやってみたが、ゲーム感覚でできるし、リスニング、リーディングに加えてスピーキングの練習もできるところがいい。出てくるキャラクターも可愛くて親しみが持てる。たまに、YouTubeみたいに広告が出てくるが個人的には特に気になるほどではない。日本語版では、英語、中国語、韓国語、フランス語を勉強できる。

普段、英語を使う機会はほとんどないがフィリピンの人が会社にいて英語で言った方が日本語より通じることが多い(俺は片言の英語しか話せないが)から少しずつ勉強していきたい。短歌にもいかせないか、と模索中である。

じゃあな。

(次回は、3月31日(日)に更新予定)

6 件のコメント

  • 張飛さん、おはようございます♪

    産経歌壇、掲載おめでとうございます!
    「風が降りてく」がロマンティックだなあ、と思ったら、ただロマンティックなだけじゃなくてちゃんと意味のあるロマンティックさだったのですね。私は短歌の本を読むときは解説のあるものがありがたいのですが、解説がないと他の短歌でもなんでこうなるのかがわからずいまだにチンプンカンプンなことが多いです。解説ありがとうございます!

    5552さんもこの場を借りて、ラジオ番組の会報に掲載、おめでとうございます!
    noteチェックしていなくてわかりませんでした。
    「ハリーポッターの杖」という発想が素敵だと思います。
    私も、本の主人公が出てくる歌を最近作っていますが、ちょっとマイナーだったりしてなかなかいいのができません。
    ハリーポッターは誰でも知っているし、内容もロマンがありますね。

    また、私の歌の紹介とコメントもありがとうございます!

    木下龍也さんの、この歌集は私も確か持っていたはずなのですが、行方不明になっています。
    まだレビューしていないので、早く見つけないと!
    <しあわせをひとりひとりに配り終え手ぶらで去ってゆく十二月>
    素敵ですね。

    丸亀城に行かれたのですね。香川県も観るところがいろいろあるのですね。
    英語の勉強も始められるのですね。
    私は4月からの『NHK短歌』番組改変に伴って、もう少し、本気度高めにやっていきたいと、夕べ思いました。

    • まこと、ブログを読んでくれたうえにコメントもくれてありがとう!

      俺の短歌の表現をロマンティックと言ってくれて凄く嬉しいぜ!ありがとう!解説も役にたったようで、本当に良かったよ!もっとたくさんロマンティックな短歌も作りたいが、俺自身がロマンティックな人間じゃねえから、なかなか思いつかねえ(笑)木下龍也の歌集などを読んで勉強しながらコツコツ作っていこうと思う。ロマンティックといえば、まことが笹井宏之の短歌もロマンティックと書いていたと思うから彼の歌集もいずれ読んでみたい!

      5552の短歌も想像の翼が広がるような素晴らしい短歌だよな!たしか、木下龍也が短歌以外にも趣味を持ったほうがいいみたいなことを本に書いていて、それが短歌に役立てばなおいい、と書いてたが5552にとっての映画鑑賞がまさにそれだなあ、と思った!まことが作る本の主人公が出てくる短歌もめちゃくちゃ面白そうだから凄く楽しみだ!

      この歌集や、他の木下龍也の歌集を読んでみて思ったのはやっぱり木下龍也のような短歌を詠めるようになりたいと心から思ったよ。十二月みたいな短歌も一度でいいから詠んでみたいなあ。

      これからも休みの日などを利用して出かけて、香川の面白いところをいろいろ紹介したいと思ってる!英語のはいった短歌とかも掲載してもらえたら最高だなあ。4月から番組改変ということで俺も気合いを入れ直して頑張りたい!

      • 張飛さん、こんにちは♪

        笹井宏之さんの歌集、まだ読まれてなかったのですね!
        笹井宏之さんは読まれるのお薦めです。
        私は、単行本3冊全部と笹井さんのベスト盤ともいえる「えーえんとくちから」、4冊全部ブクログで読みました♪

        • まこと、笹井宏之の歌集の情報教えてくれてありがとう!歌集全部読んでるんだな!早速まことの教えてくれた「えーえんとくちから」をブクログで本棚登録したよ!今読んでる本を読み終えたら、ぜひ購入して読んでみるぜ!とても楽しみだ!

  • 張飛さん おはようございます!
    本当に、今月号のNHK短歌は「ブク友ほむほむ短歌会」祭りでしたね!!!
    私の歌のご紹介もありがとうございます。
    張飛さんもぜひ盛り上げるメンバーとしてこれからも楽しみにしています。
    新聞歌壇でのご活躍素晴らしいですね!小島ゆかりさんとは相性良さそうですね♪
    朝の始まるさわやかさと子どもたちのかわいらしさを、風がふきぬけていく様子で軽やかに歌い上げていて見事だなと思いました。結句が特に上手だなあと思いました。

    香川観光も天気が良くて楽しく拝見しました。
    「Duolingo」私もしていますよ!rokoの名前でもう3か月以上になります。
    ブグ友のなおなおさんやmanideさんと切磋琢磨して楽しんでいますよ。
    張飛さん多いんですよね、2024年2月から開始でしょうか?お友達申請したいと思いまーす。

    • ☆ベルガモット☆、ブログを読んでくれたうえにコメントもくれてありがとう!

      ブク友ほむほむ短歌会のみんなの短歌を読めるから、毎月のNHK短歌が大きな楽しみの一つになったぜ!なかなか掲載されないが、俺も掲載、そして入選を目指してあきらめずに頑張っていきたい!

      俺の短歌を誉めてくれてありがとう!結句は定型に収めるために「降りていく」ではなく「降りてく」と「い」を抜いていいかどうか、迷ったが添削されてなかったからこれでも良かったんだと安心したよ!小島ゆかりは、尊敬する歌人の一人だから光栄だし、こうして何度も掲載してくれて感謝しかない!

      おお、Duolingoやってるのか!俺は「張飛」の名前でやってるぜ!眼鏡をかけたキャラクターでブロンズリーグというのに所属している。まだはじめて10日くらいで全然勝手がわかってないが、友達申請ぜひよろしくお願いしたい!

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