雪麻呂(小島ゆかり著)短歌研究社

よう、夏バテしてねえか❓張飛だ❗

今日は最初に、俺の短歌が6月15日(木)の産経新聞の産経歌壇(小島ゆかり選)に掲載されたから紹介させてくれ。これだ❗

石井啄也が俺のペンネームだ。この短歌は少し前に高知県に行った時に、『土佐日記』の著者であり『古今和歌集』の中心的選者でもある大歌人、紀貫之の歌碑を見た時の気持ちを詠んだものだ。紀貫之はちょうど1000年前くらいの人物なんだ。前回のブログでも紹介したが、紀貫之の歌碑がこれだ。

紀貫之はとても好きな歌人なので彼のことを詠んだ短歌が掲載されてとても嬉しかった。俺の短歌を掲載してくれた選者に心から感謝したい。

それと、もう一つ嬉しいことがあった。読書アプリ「ブクログ」の友達の☆ベルガモット☆の短歌が雑誌『短歌』の2023年5月号で特選として掲載されたんだ❗これだ❗

復帰っ子と呼ばれし友と待ち合わす返還跡のおもろまちにて(小黒世茂選)

『短歌』2023年5月号(角川文化振興財団)

「復帰っ子」というのは、沖縄の本土復帰前後に生まれた世代のこと。「おもろまち」は、基地返還後の再開発地区のことで、ベルガモットの教えてくれた情報によると今では活気あふれるおしゃれな街になっているらしい。

友達と待ち合わせするシーンを詠んだ短歌だが、「復帰っ子」「おもろまち」という言葉が使われていることで、沖縄での様々な苦労を共にした仲間と未来に向かって力強く進んでいこうとする希望あふれる素晴らしい短歌になっている。桃園の誓いを思い出したぜ。ベルガモット、おめでとう❗

じゃあ、今日もおすすめの本を紹介するぞ❗

小島ゆかりの第十五歌集

こんな奴におすすめ❗

  • 明るくてユーモラスな短歌が好きな奴
  • 文語の短歌が好きな奴

概要

歌人小島ゆかりの第十五歌集。十五冊もの歌集を出している歌人って、ほとんどいないのではないだろうか。短歌が心底好きでないと、これだけ多くの歌集は出せないと思う。著者はこの歌集で第三回大岡信賞を受賞。また、歌集『希望』で若山牧水賞、歌集『憂春』で迢空賞を受賞している。

また、産経歌壇、中日歌壇などで選者をしている。今年の一月に行われた歌会始の儀(宮中で年始に行われる歌会)では召人(天皇陛下に特別に招かれて歌を披露する人)を務めた。ちなみに、歌人小島なおは著者の長女である。

俺が著者の短歌を初めて読んだのは、以前紹介した『短歌タイムカプセル』という本だった。特に印象に残ったのはこの歌だ。

もうそろそろ秋を測りにくるだらう腹に目盛のあるオニヤンマ

『短歌タイムカプセル』 東直子 佐藤弓生 千葉聡 編著(書肆侃侃房)

「秋を測りにくる」という表現が面白くて暗唱できるほど読み込んだ。歌風は、じめじめした感じがなく、明るくユーモラスで、何気ない日常の風景を斬新な表現で詠んだ短歌が多くて凄く面白い。

著者の短歌は文語だが、難しい言葉はほとんど使っていないので文語を読み慣れてなくても楽しめると思う。

いくつか短歌を紹介していきたい。

ものおもひ暗澹たれどイマジンとひまじん似てることもおもへり

『雪麻呂』小島ゆかり著(短歌研究社)

こんな経験は俺もある。凄く深刻な事態に陥っているのに、どうでもいいことを考えてしまったりとか。そして、著者が考えたのが「イマジン」と「ひまじん」が似ているというのは、韻律を大切にする歌人だからこそだとも思った。

ブランコは乗るより降りるむづかしくおッとッと さくらももこさん逝く

『雪麻呂』小島ゆかり著(短歌研究社)

「おっとっと」から、「さくらももこさん逝く」の流れにはっとさせられる。「ブランコ」は人生をあらわしているのだろうか。

ややこしき世に陶然とぶだうあり何の比喩でもなくてうつくし

『雪麻呂』小島ゆかり著(短歌研究社)

「何の比喩でもなく」という表現にリアリティが溢れていて、ブドウだけが持つ美しさに感動している著者の気持ちが凄く伝わってくる。

古猫はこゑに怒りを若猫は背に怒りを見せて対峙す

『雪麻呂』小島ゆかり著(短歌研究社)

著者は二匹の猫を飼っているそうで、猫を詠んだ短歌もたくさんある。この短歌は絵画のように情景が鮮明に想像できる。「こゑに怒り」と「背に怒り」という対比が面白い。古猫の怒りに満ちた声も聞こえてきそうだ。

外側のいちまいは風のかたちなり手を差し込んでキャベツをはがす

『雪麻呂』小島ゆかり著(短歌研究社)

「風のかたち」という表現がとても好きで、キャベツが畑で過ごしてきた長い月日を想像してしまう。

あたらしき冷蔵庫ふるき冷蔵庫すれちがひたり玄関前で

『雪麻呂』小島ゆかり著(短歌研究社)

著者の感情が一切詠まれてなくて目の前の情景を描写しているだけなんだが、とても好きな短歌だ。著者の「ふるき冷蔵庫」に対する惜別の情のようなものがにじみ出ている気がする。もしこの短歌に「寂しい」とか「悲しい」という言葉が入っていたら、広がりのない短歌になっていたかもしれない。

母がもう忘れたるわが誕生日 未生以前の秋のかぜふく

『雪麻呂』小島ゆかり著(短歌研究社)

著者は90歳(この歌集を作った当時)のお母様の介護の日々も詠んでいる。この短歌は歌集の最後におさめられているが、「未生以前の秋のかぜふく」から言葉で表現しがたい万感の寂しさのようなものが感じられる。

まとめ

この歌集には451首(長歌1首、反歌2首含む)がおさめられているが、好きな短歌が多すぎてどれを紹介しようかと迷うほどだった。

一番感じたことは、見逃しがちだが日常のなかにもたくさんの感動やドラマが潜んでいるということ。(小さなものも含めて)

ぜひ、著者の他の歌集も読んでみたくなった。

最後に

最近は忙しかったため、ほとんど外出出来なかったが暑くなってきたので近くの無印良品にTシャツを買いに行った。買ったのはこのTシャツ。

最近は無印良品の服もユニクロのようにいい服が増えてきている気がする。色はネイビー。黒やネイビーのような濃い色は収縮色なので着痩せ効果があるらしい。逆に白は膨張色といって実際より少し大きく見えるらしい。

ちなみに、囲碁で使われる碁石は黒のほうが白よりほんのわずかだが大きく作られている。なぜかというと、白が膨張色で黒が収縮色のため盤上の碁石の数がほとんど同じの場合でも白のほうが優勢に見えてしまうからだそう。

それと戦い(仕事)を頑張った自分へのささやかなご褒美という意味でショッピングモールの時計店で腕時計を買った。これだ。

「TIMEX」(タイメックス)というブランドのキャンパーという時計だ。とても人気があってミリタリーウオッチのなかでは代表的な存在らしい。BEAMSなどのセレクトショップでも取り扱われている。

デザインがシンプルなところが俺としては気にいったし、凄く軽い。文字盤はそれほど大きくないので男性、女性関係なく人気があるそうだ。値段は9500円くらいで安くはないが腕時計のなかではお手頃なほうだし、いい買い物ができて嬉しかった。末永く愛用したい。

そして、来月から月2回のブログ更新に戻そうと思っていたんだが、またいつ忙しくなるかわからないのと、なるべく1回、1回のブログの内容を充実させたいという思いが強くなってきたので、来月以降も月1回、月の終わり頃の日曜日にブログを更新していきたい。

そのぶん、読んでくれるみんなになんとか楽しんでもらえる内容にしていきたいと思うので、読んでもらえると嬉しい❗

じゃあな。

(次回は、7月30日(日)更新予定)

4 件のコメント

  • 張飛さん、こんにちは♪

    産経歌壇、掲載おめでとうございます。
    毎回、凄いですね!
    今回の、歌は、一瞬で、よくわかりました。
    前回、拝読したブログの記事が早速、こんな素晴らしい歌になるのですね。
    私も、今、図書館本がこなくなったので、積ん読していた短歌の本を読んでいます。
    穂村弘さんと東直子さんの『しびれる短歌』はすごく、勉強になりました。
    あと、今回、うたらばの「旅」に応募してみました。
    11首出したのですがダメかなあ。

    • まこと、ブログ読んでくれた上にコメントもくれてありがとう!

      31音でどうやって歌碑を見た時の気持ちを表現しようかかなり悩んだから、その分掲載してもらえて嬉しかったよ!

      『しびれる短歌』は調べてみると対談形式になってるんだな。面白そうだ!俺も本棚登録して今度読んでみるよ!教えてくれてありがとう!

      おお!うたらばに11首も投稿したのか!俺はまだ「旅」のお題は投稿できてねえから、今週頑張って投稿しようと思ってる。まことが投稿したということで、来月のうたらばを見るのが今まで以上に楽しみだ!もし、都合が悪くなければ是非掲載された時は教えてくれ!

  • 張飛さん、こんばんは!
    私の歌の紹介と、「希望あふれる素晴らしい短歌」と評価してくれてありがとう!
    「桃園の誓い」とはまた最高のほめ言葉ですなっ
    この歌の思い入れは強かったので、採用されたときは嬉しすぎて大人泣きしましたよ。
    燃え尽きた感じになってしばらく歌を詠むのができなかったです。

    小島ゆかりさんは15冊も歌集を出してるなんて凄いです!数々の賞を受賞されていたり、今年の一月に行われた歌会始の儀では召人(天皇陛下に特別に招かれて歌を披露する人)にも選ばれるなんて、相当の実力をお持ちですね。やはり、歌集を取り寄せてよまなくちゃです。

    囲碁の碁石の黒が大きという豆知識卯や、お買い物情報も面白いです。
    お忙しいとは思いますが、ブログ楽しみにしていまーす。

    • ベルガモット、コメントありがとう!

      大人泣きするくらい思い入れが強かったんだな!その熱い心と、巧みな表現が掛け合わさって素晴らしい歌になったんだと感動したよ。俺はまだそこまでの思いをこめた短歌が作れてないが、いつかは作ってみたいなと思う!

      小島ゆかりの短歌は自然体で楽しみながら詠んでいるような気がしてとても好きなんだ。まだ、俺が読んだのはこの『雪麻呂』だけなんだが(ほかの本も書店で注文しようとしたが取り寄せが出来なくて)、ぜひ他の歌集も読みたいと思ってる!

      豆知識なども楽しんでもらえたようで良かったぜ!短歌以外の話題もブログで書いていきたいと思ってるから、また読んでもらえると嬉しい!

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