老人ホームで死ぬほどモテたい(上坂あゆ美著)書肆侃侃房

よう、ヌートバーの活躍を見たか❓張飛だ❗

今日は、最初に前回のブログから今回までの間に、2つの媒体で俺の短歌が掲載されたから紹介させてくれ。

まずは、月刊うたらばだ。月刊うたらばには、初掲載となる。下のURLから、うたらばのホームページに移動できるから、良ければぜひ見てみてくれ。月刊うたらば採用歌2023年2月号テーマ「涙」のなかの、石井啄也というペンネームで書かれている短歌が俺の短歌だ。

http://www.utalover.com

この短歌は速度制限の始まりを示す「ここから」と書かれた標識を見た時の自分の気持ちを詠んだ短歌だ。以前、紹介したこともあるこの標識だ。

気分が晴れない時とかに、この標識を見ると「まだまだ、ここからやで。おまえの人生は」みたいに、言われてる気がして頑張ろう、と思えるんだ。

もう一つは、3月2日(木)の産経新聞の産経歌壇(小島ゆかり選)だ。産経歌壇も、初掲載となる。この短歌だ❗

「チャッピー」は、関羽が飼っている犬の名前だ。こいつだ。

左の黒い犬がチャッピー。ポメラニアンとチワワのミックス犬で男の子。右は、リリー。トイプードルとチワワのミックス犬で女の子。2匹は血はつながってないが兄妹のように仲良し。

三国志の時代もそうだが、生き物の中で「防衛費」という費用がいるのは人間だけだ。当然ながら、犬は防衛費はタダで済む。戦争がなくなって、いつか人間も防衛費が0円でも生きていけるような世界になる事を願って詠んだ短歌だ。

この短歌を作る時、最初は「チャッピー」という固有名詞ではなく「ポメラニアン」とか「チワワ」といった犬種の名前を入れようか、と思っていた。

ただ、「チャッピー」にしたほうが、読む人にとって想像の広がる面白い短歌になるかなと思った。それと、下の句で「人間」という言葉を入れているから人間以外の生き物で名前がついているという事は、おそらくペットのことでは、と思ってもらえると考えた。

ちなみに、産経歌壇は木曜日に掲載されていて、はがきで投稿する。(1枚のはがきで投稿できるのは1首)今回掲載された短歌をポストに投函したのが1月7日で3月2日に掲載されたので、2カ月程度掲載までかかると思われる。(ただ、選者によって掲載までにかかる時間は違う可能性もある)

詳しい投稿規定は、木曜日の産経歌壇の欄に書かれているので気になった奴はチェックしてみて欲しい。

そして今回、短歌を採用してくれた月刊うたらばと、産経歌壇の選者には心から感謝したい。また、俺の短歌が掲載されることがあれば、紹介したいと思う。

じゃあ、余談はこれくらいにして今日もおすすめの本を紹介するぞ❗

上坂あゆ美の第一歌集

こんな奴におすすめ❗

最近注目されている面白い歌集を読みたい奴

概要

この歌集は、読書アプリの友達の☆ベルガモット☆のレビューを読んで気になって、読んだ。

著者は、歌人の上坂あゆ美。1991年生まれの若い歌人だ。最初に、「老人ホームで死ぬほどモテたい」というタイトルを見た時にインパクトが凄かった。本屋で注文をする時にも、タイトルを言うのに抵抗があっていつもの半分くらいの声の大きさになってしまった。ただ、あとがきを読んでこのタイトル名には凄く深い意味があることを知った。その点に関しては、後程触れたい。

まずこの歌集を読んで、俺が感じたのはこれほど自分をさらけ出して書かれた歌集はなかなかない、ということだ。時代は違うが、俺が敬愛している石川啄木にその点に関しては似ている。

そして、著者自身も言っているが、楽しみながら短歌を作っているというのが伝わってくる。上手い短歌を作ろう、というより思いっきり楽しみながら作ったらめちゃくちゃ面白い歌集になった、そんな感じだ。

では、いくつか短歌を紹介したい。まずは、これだ。

いつどこの街に行っても「はまゆう」って名前のスナックある 怖い

「老人ホームで死ぬほどモテたい」上坂あゆ美著(書肆侃々房)

これは、なんとなく分かる気がする。俺自身は、「はまゆう」という名前のスナックは見たことがないが、ほとんど女性の名前がスナックの名前になっていることが多い気がするし、似たような名前が多いと思う。

自分の見た景色に対しての、感想が「怖い」の一言に凝縮されている点がユニークで面白い。どこに行っても、何か見えないものから追いかけられている。そんな恐怖心のようなものを表現しているのだろうか。次は、この短歌だ。

富士山が見えるのが北と言う教師 見える範囲に閉じ込められて

「老人ホームで死ぬほどモテたい」上坂あゆ美著(書肆侃々房)

著者は静岡県の出身ということで、学校が富士山の南にあったのだろう。富士山が「北」にしかないような狭い世界だけではなく、南にあったり東や西にあったり、もっと言えばどこにも富士山が見えないような世界も見てみたい。そんな著者の願望が見え隠れしている気がする。次は、この短歌。

バイパスを走るラベンダー色の自転車(チャリ) あの子はきっと東京に行く

「老人ホームで死ぬほどモテたい」上坂あゆ美著(書肆侃々房)

言葉では上手く表現できないような魅力を感じる短歌だ。著者の中では「ラベンダー色」がポイントなのだろう。「赤」とか「白」ではダメなのだ。

そして、行くかもしれない、ではなく「行く」と言いきっているところが予言者めいていて面白い。そして、こんな短歌もある。

アマゾンで激安だったツナ缶のマグロは海を覚えてるかな

「老人ホームで死ぬほどモテたい」上坂あゆ美著(書肆侃々房)

個人的にとても好きな短歌だ。今、目に見えているものから、その裏側にある背景や物語を想像することは凄く大切だと思う。俺も、言葉を発することが出来ない生き物の短歌もどんどん詠んでいきたい。次は、この短歌。

バトロワに世界がなっても誰ひとり殺すことなく花になる人

「老人ホームで死ぬほどモテたい」上坂あゆ美著(書肆侃々房)

この短歌は「グッドなピープル」という連作の最後の歌だ。バトロワとは、バトル・ロワイヤル、のこと。(バトル・ロワイヤルは、多数の対戦者が同時に戦う戦い)そんな悲惨な状況になろうと誰も殺さず「花になる」という表現に著者の思いが込められている気がする。

こんな「人」になりたい、という著者の目指す理想の自分を詠んだ歌だろうか。次は、この歌だ。

天使って紙一重だよ いっぽんの棒がわずかにずれれば大便

「老人ホームで死ぬほどモテたい」上坂あゆ美著(書肆侃々房)

確かに、良く見ると「天使」「大便」は紙一重だ。今まで、全然気づかなかった。ギャップが凄い。それと、この短歌からは人生は心の持ち方とかのほんのちょっとした違いでよくも悪くもなっていく、そんな意味も感じとれる気がする。最後はこの短歌。

生きる犬は死んだライオンに勝つらしい わたし長生きのライオンになる

「老人ホームで死ぬほどモテたい」上坂あゆ美著(書肆侃々房)

この歌集の一番最後に置かれた歌で、俺がこの歌集のなかで一番好きな歌だ。「老人ホームで死ぬほどモテたい」というタイトルともリンクしていると思う。

「長生きのライオンになる」というのは、どんな思うようにいかないことがあっても、ライオンのように強く生きて生きて生き抜くという著者の宣言だろう。

長生きの犬、ではなく長生きのライオン、としたのはライオンのように何事にも恐れず立ち向かっていく強気の心で、人生を生きていくという決意を表現したかったからではないだろうか。

まとめ

著者は、あとがきでこう書いている。

いつか老人ホームに入るころには、わたしの中の全てのわたしから、死ぬほどモテたい。手放しで称賛せざるを得ないような、かっこいいわたしになるのだ。

「老人ホームで死ぬほどモテたい」上坂あゆ美著(書肆侃々房)

俺は、この文章を読んで初めて「老人ホームで死ぬほどモテたい」というタイトルの真意を知った。そして、めちゃくちゃ感動した。

他人から見てどうかではなく、自分が自分をどう思うか、の方がずっと大切だと著者は言いたいのだと思う。そして、このあとがきを読んでもう一度さっきの「ライオン」の短歌を読んだとき、俺も心の底から「長生きのライオンになる」。そう決意した。

最後に

最近食べて美味しかった食べ物を紹介したい。これだ❗

コメダ珈琲店の名物デザート「シロノワール」だ。温かいデニッシュパンの上にソフトクリームがのっていて、シロップをかけて食べる。温かいパンと冷たいソフトクリームの相性が抜群でとても美味しい。

少しサイズの小さい「ミニシロノワール」もある。ミニシロノワールは、食後のデザートにぴったりなサイズだと思う。

シロノワールは美味しいから、毎週でも食べたいくらいだ。だが太って馬に乗れなくなるといけねえから、新聞歌壇とか短歌くださいなどに短歌が掲載された時に自分へのご褒美として食べたいと思う。(次は、いつになるかわからないが)

じゃあな。

(次回は、3月26日(日)に更新予定)

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