よう､最近俺の故郷である幽州みたいな寒さだがみんな元気か❓張飛だ❗
早速だが今日は､読書アプリ「ブクログ」の友達のベルガモットが快挙を成し遂げたから紹介させてもらいたい｡ベルガモットの作った短歌が角川文化振興財団の発行している「短歌年鑑」の特選作品ベスト20の3位に見事選出されたんだ｡この短歌だ❗
母子手帳（琉球政府発行）に父の筆圧強めに残る
「角川短歌2022年9月号」発行：角川文化振興財団
角川短歌で2名の選者から特選に選ばれるW特選になった短歌だ｡選者からは､「奥行きのある作品」と高い評価を受けた｡
この短歌を読んで気付いたのは､〈父〉の感情は一切書かれていないということだ｡そのかわり､母子手帳をスケッチするように丁寧に描写している｡
そうすることで､読者の想像が広がっていく味わい深い短歌になっている｡ベルガモットの短歌を読んで俺はこの短歌を思いだした｡
卒業生最後の一人が門を出て二歩バックしてまた出ていった
「短歌タイムカプセル」東直子・佐藤弓生・千葉聡編著（書し侃侃房）
千葉聡という歌人の短歌だ｡ベルガモットの短歌と同様に､この短歌においても登場する〈卒業生〉の感情は書かれていない｡しかしながら､場面を具体的に描写することで〈卒業生〉の心情が読者の胸に迫ってくる短歌となっている｡
状況を「説明」するのではなく､「描写」することの大切さをベルガモットや千葉聡の短歌は教えてくれる｡(ちなみに､「説明」と「描写」の違いについては以前このブログで紹介した「のんびり読んで､すんなり身につく いちばんやさしい短歌」という短歌入門書に分かりやすく書かれてあったから､その時のブログで触れている)
「（琉球政府発行）」という表現に関しては､角川短歌の2人の選者が素晴らしい解説をしていたから､俺は､「母子手帳」に関して少し触れたい｡
「母子手帳」は日本で誕生して､その優れた点(日本の妊産婦・乳児死亡率の低下に寄与)が評価されて､現在は世界約50ヶ国・地域に普及している｡
今も世界のどこかで､妻である〈母〉や我が〈子〉の幸せと健康を願いながら〈父〉はきっと筆圧強く母子手帳に文字を書いているに違いない､そんな事にも思いを馳せさせてくれる素晴らしい短歌だ｡
ベルガモットおめでとう❗
そして､話は変わるが 「ダ・ヴィンチ」 の 「短歌ください」 で現在募集されている短歌のお題は「地球」｡相変わらず､なかなか思いつかないが頑張って作りたい｡1月号の短歌くださいの冒頭で書かれていたが､最近､投稿数が増えていて一月に二千首を越えることもあるそう｡
三国志に例えたら､今の俺は数人程度の兵力(短歌)で二千人の敵を相手に戦っているということか｡望むところじゃねえか！「万兵に匹敵す」 とも言われて恐れられたこの俺が､たかだか二千の兵(短歌)を相手にびびってるわけにはいかねえ｡諦めずに投稿して必ずまた掲載を勝ちとってみせるぜ❗
じゃあ､テンションが上がってきたところで､今日もおすすめの本を紹介するぞ❗
ミステリーの基本となるような小説
こんな奴におすすめ❗
ミステリー小説に興味はあるが､何を読んでいいかわからない奴
概要
この本は､ブクログの友達111108のレビューを読んで読みたくなり､購入した｡かなり昔に読んだような記憶があったんだが､実際に読んでみるとストーリーは覚えていなかったから､思い過ごしかもしれねえ｡
ミステリーと言えば､テレビドラマの 「古畑任三郎」が好きで見ていたくらいでミステリー小説はほとんど読んだことはなかった｡
結論からいって､めちゃくちゃ面白い！ シャーロック・ホームズの第一短編集で10編の物語が収められているが､面白すぎてあっという間に読みきってしまった｡「シャーロッキアン」と言われる熱狂的なファンが世界中にいるといわれるのも十分うなずける｡
作者はコナン・ドイル ｡医者になって開業したが､患者がさっぱり来なくて仕方なく家計の足しにするために小説を書き始めたそうだ｡
この本に収められている短編は1891年から1892年にかけて『ストランド』という雑誌に掲載されたものだ｡
ちなみに､その頃の日本で活躍した小説家といえば五千円札の肖像画になっている樋口一葉がいて､代表作の『たけくらべ』は1896年に初版が発行されている｡その頃に書かれたミステリー小説が今でも世界中で翻訳されて読まれているのだから凄い｡
馬車が登場したり､通信手段が電報だったり時代を感じさせる箇所はあるが読み辛さは全く感じなかった｡むしろ､逆にそれが味があってお洒落な雰囲気すら作品からは感じる事ができた｡
それと､ホームズと友人のワトスンの掛け合いが軽妙でそれが物語の人気の秘密の一つかもしれない｡読者が気になっていることをワトスンが読者のかわりにホームズに聞いてくれる｡そんな感じだ｡ワトスンの存在はかなり大きいと思う｡
ホームズは鋭いが少し気難しいところがあって､ワトスンはマイペースでおっとりした性格をしている｡お笑いコンビの爆笑問題に例えるとホームズは太田で､ワトスンは田中にタイプが似ている｡
10編のどれもがおすすめだが､特に俺の気にいったベスト3の導入部分だけ紹介したい｡
まず､第3位は『ぶな屋敷』だ｡(ぶなの漢字が変換しても出てこねえ・・)
ある時ヴァイオレット・ハンターという女性から､ホームズに奇妙な手紙が届く｡手紙の内容は家庭教師の仕事が一つあるが､その仕事をするべきかホームズに相談したい､というものだった｡
この導入に凄く興味をそそられる｡事件の匂いが全くしない｡逆に不気味さを感じさせる内容の手紙だ｡
ホームズが実際にハンターという女性に会って話を聞いてみると､するべきか悩んでいる家庭教師の仕事というのは有名な家庭教師の紹介所で斡旋している仕事で､一年百ポンドという高額な報酬が得られるがその家庭教師になるための条件が不可思議極まる条件で・・・｡
第2位は､『まだらの紐』だ｡
ある日の朝早く､ひどく興奮状態の若い婦人がホームズのもとを訪れてどうしても面会したいという｡
ヘレン・ストーナーというこの女性の相談というのは一緒に暮らしていたジュリアという姉の死についてだった｡激しい嵐の夜に､叫び声をあげて部屋から出てきたジュリアは「まだらの紐」という謎の言葉を残して､息絶えてしまう｡
密室で起きたジュリアの死の謎を解き明かすべく､ホームズはジュリアの死んだ屋敷へと向かう・・・｡
そして､第一位は
『唇の捩れた男』だ｡
この作品は展開が面白いうえに､結末も予想外で「そうきたか！」と思ってしまった｡文句なしでダントツの1位だ｡
ロンドンの東の外れにある「金の棒」といういう家は､アヘンを吸う荒くれ男たちが集まるいまわしい場所だった｡
ある日､セントクレア夫人という女性がその家の前を通りかかった時､叫び声が聞こえてそちらをふりあおいで息をのんだ｡3階に夫のネヴィル・セントクレアの姿があり､手招きしているようなしぐさをした後､なにか抵抗しがたい力で後ろへ引っ張られでもしたように､すっと窓の奥へ姿を消してしまったのだ｡
急いで3階へ警察と共にかけ上がったが部屋にはそこに住んでいる乞食がいるだけで彼の姿はなく､寝室の窓枠のうえには､血がついていた・・・｡
まとめ
どの作品も先の展開が気になって思わず読みすすめてしまうほど面白い｡普段､ミステリー小説をあまり読まない奴にもおすすめしたい｡俺自身､他のホームズ物語もぜひ読んでいきたいと思う｡
最後に
さっきも言ったが､俺はテレビドラマの 「古畑任三郎」 が大好きで全エピソードを見ている｡特に好きなエピソードはDVDをゲオで借りてきていまでもたまに見ている｡
古畑任三郎は､ 「倒叙ミステリー」 といって先に犯人がわかったあとに､刑事などがどうやってアリバイを崩したり謎を解くかを見て楽しむ物語になっている｡ちなみに､「刑事コロンボ」も倒叙ミステリーだそうだがまだ見たことはない｡
古畑任三郎を演じる田村正和に負けず劣らずにいい味を出しているのが､今泉慎太郎を演じる西村雅彦だ｡ 彼なくして､古畑任三郎は成り立たないと個人的には思っている｡
そんな古畑任三郎大好きな俺が中でも一番好きなエピソードを紹介したい｡それは2nd seasonの第9話､「間違えられた男」だ｡犯人の若林仁を演じているのは風間杜夫｡
ある山奥の家で殺人を犯した若林は､車で逃走を図るがタイヤがパンクしていて近くの道でヒッチハイクして帰ろうとする｡
一台だけ乗せてくれた車があって喜ぶが､なんと運転手の鴨田という人物は以前パーティーで若林と話したことがあるという｡若林は殺人の容疑者になることを恐れ､鴨田に「今日会ったことは内緒にして欲しい」とお願いをする｡
鴨田は内緒にすることを約束するが､言ったそばから家の家族にかけた留守番電話に若林と会ったことを話してしまう｡鴨田の口が軽い事を危惧した若林は､鴨田までも殺してしまう｡
その後､鴨田の家に行って留守番電話のテープを抜きとって帰ろうとしたその時､なぜか古畑任三郎が鴨田の家を訪れて・・・｡
このエピソードはコメディの要素も強いが最初から最後まで楽しめる展開になっていて､気がつくと途中から犯人の若林になったような気持ちになってドキドキしてしまう｡
ちなみに､このエピソードでも後半に出てくる今泉と古畑のやり取りは面白さが炸裂している｡そして､物語の最後に古畑が犯人の若林にする質問が個人的にはツボで最高だ｡
古畑任三郎はこれからも何度も見たい､そう思わせてくれる名作である｡
じゃあな｡
(次回は､2月12日(日)に更新予定)
コメントを残す