世界音痴(穂村弘著)小学館文庫

よう、最近忙しくて遠出が出来てない張飛だ❗

まず最初に、俺の作った短歌が11月2日(木)の産経新聞の産経歌壇 (小島ゆかり選)に掲載されたから、紹介させてくれ。ペンネームは、石井啄也 だ。これだ❗

幼子が「ぶろっこりー」と指差したテレビの中にガチャピンがいる

『産経新聞』2023年11月2日(木)の「産経歌壇」

この短歌は、俺がある日見ていたテレビに出ていた幼子の言葉を詠んだ。ガチャピンのことを「ぶろっこりー」と言ったんだ。思わず笑ってしまったが、幼子の感性恐るべし、である。

そして、さらに嬉しいことがあった。読書アプリ「ブクログ」の友達、☆ベルガモット☆の短歌が11月19日にNHKEテレの「NHK短歌」で入選して紹介されて、同じくブクログの友達の5552の短歌が雑誌『NHK短歌 2023年12月号』に佳作として掲載されたんだ。まずは、☆ベルガモット☆の短歌がこれだ❗

チョコを切り刻んで鍋に重ねたら底がじわりと消える日曜 (吉川宏志選)

「NHK短歌 11月19日放送」NHK Eテレ

初句から二句にかけて句またがりを用いている。(句またがりとは、意味の上で一つながりの言葉が二つの句にまたがって使われること)これが、「チョコを切り刻んで」という歌の内容とリンクしていて面白い。

ブクログの☆ベルガモット☆のコメントによると、この歌は自分用に簡単ブラウニーを作った時の歌らしい。テレビでこの歌についてコメントしていた選者の吉川宏志は、鍋にチョコを重ねるという些細な出来事から五七五七七のなかに詩を生み出していることに凄く驚いているような印象を俺は受けた。

テレビで短歌が紹介されるなんて、本当に凄い!☆ベルガモット☆の短歌をテレビで見て刺激を受けたから、俺もいつかはNHK短歌で入選できるよう頑張りたい!

そして、5552の短歌がこれだ❗

ハムスター包む手のひらあたたかい指の先から守られている (岡野大嗣選)

『NHK短歌 2023年12月号』NHK出版

この短歌のお題は「逆転」だ。俺はこのお題で短歌を考えたとき、野球の逆転みたいな内容しか思いつかなかった。そして、初めてこの短歌を読んだとき不思議な気持ちになった。これはどういう逆転だろう・・・。しばらく考えて、ああそういうことか!と納得した。守る立場の飼い主と、守られているはずのハムスターの立場が逆転しているんだ!(5552のコメントにも書かれていた)

5552の短歌を読んで歌人の穂村弘の言葉を思い出した。

圧倒的な心の炎に引きつけられて、その一点に向かって闇のなかから言葉たちが集まってくるというべきか。

『短歌という爆弾―今すぐ歌人になりたいあなたのために―』穂村弘著(小学館文庫)

5552の心のあたたかさが生んだ短歌のような気がする。

☆ベルガモット☆、5552、あらためておめでとう❗じゃあ、今日もおすすめの本を紹介するぞ❗

歌人穂村弘の初のエッセイ集の文庫版

こんな奴におすすめ❗

  • ユーモアのあるエッセイを読みたい奴
  • ユニークな考え方のエッセイを読みたい奴
  • 夜中にベッドの中で菓子パンをむさぼり食った経験のある奴

概要

俺は、現在歌集を読んだり短歌を作って投稿しているが、最近になってエッセイにも少し興味が湧いてきた。すでにここ2か月で3つほど短い文章やエッセイを雑誌や新聞に投稿した。(もし、掲載されることがあればこのブログでも紹介したい)

そこで、まずは以前から読みたいと思っていたこの本を手にとった。著者は歌人であり、エッセイストでもある穂村弘。著者のエッセイは『ぼくの短歌ノート』という短歌を読み解くエッセイが凄く面白かったので、また読みたいと思っていた。

本書は著者が30代後半に書いたものだ。当時の著者自身の日常(もしくはもっと若い頃の日常)を赤裸々にかつ、自虐的にユーモアをこめて書いている。いくつか、タイトルと概要だけ紹介したい。

まずは「回転寿司屋にて」。この本の表紙は著者が回転寿司屋で一人で座っている写真(この写真が撮られた経緯についてはこの本を担当した小学館の人がこの本の最後に書いている)なんだが、著者は1週間に平均2回回転寿司屋に行く(年間100回以上!)ほど回転寿司が好きらしい。

ここでは、回転寿司屋が好きな理由や回転寿司を眺めながら著者が考えている奇妙な思いについて描く。

「豚年の年賀状 」。当時独身だった著者が家族の写真つきの年賀状を見て思っていたことを赤裸々に書く。ぶっちゃけ過ぎていて、爆笑すると共にこれを書けるのは勇気があるなあと思った。でもなんとなく共感できるのである。

もらった年賀状に対して著者が返す年賀状の内容も書かれているが、かなりユニークな内容だ。

「一秒で、」 。雪道で転びそうになった彼女の手を著者が放してしまう・・・。その後、著者と彼女は・・・。このエッセイは、「一秒で、」というタイトルもいいなあと思った。

「世界音痴」 。本書のタイトルにもなっている。飲み会を「自然に」楽しみたいが楽しめない理由を書く。この話は凄く共感できる。俺も著者とほぼ同じ理由で飲み会は大の苦手である。忘年会とか、出来れば出たくないと思っている。まず、座る席からして悩んでしまう・・・。

「菓子パン地獄」 。著者は菓子パンがめちゃくちゃ好きらしい。(著者の推定では通算で2300本以上!)菓子パンの食べ方についても書かれていたが、俺は著者のような食べ方をしたことがいまだかつてない。

「切り替えスイッチ」 。世界がきらきらして見え始めるスイッチについて考える。哲学的な内容に思えてとても印象に残った。最後に書かれている「きらきら」への切り替えスイッチに関する最もシンプルなアイデアは、誰も試せないと思う。

「ジャムガリン」。想像短歌ならぬ想像エッセイ。ジャムとマーガリンを混ぜることを思いついて、そこから想像の世界の研究所でのやりとりが小説のように始まる。最後の博士の言葉も面白い。

「ひとりっこ」 。チューリップとバラの区別がつかないという話が印象的だった。そういえば、著者の短歌には花が出てこないなあ、と以前から思っていたがこのエッセイを読んでその謎がとけた気がした。

「点」 。著者は字を書く時の書き順がめちゃくちゃらしい。図書館で著者が見かけたという女の子の「犬」の書き順に俺は驚嘆した。もしかしたら、この本のなかで一番印象に残った話かもしれねえ。

まとめ

著者は「あとがき」で述べている。

今の私は、人間が自分かわいさを極限まで突き詰めるとどうなるのか、自分自身を使って人体実験をしているようなものだと思う。本書は云わばその報告書である。

『世界音痴』穂村弘著(小学館文庫)

みんなもこの本を読めば穂村弘ワールドの虜になるに違いねえ。それと、自分自身を知るきっかけになるかも。

最後に

昨日、驚いたことがあった。短歌のハガキを投稿しようと、郵便ポストまで歩いていく途中でこんな光景を見かけたんだ。

こんな寒い時期に、タンポポが咲いていた。手前に綿毛をつけた茎があって、その奥に地面にへばりつくようにタンポポが咲いている。最初、花びらが落ちているのかと思ったがそうではなくて確かに咲いている。茎は地面のなかに埋まっているのだろうか。

花図鑑で調べると、タンポポには日本の在来種、海外からやってきた外来種、そして両者の雑種の3タイプがあるそうだ。そして、在来種が咲くのは春だけだが、外来種と雑種は1年中咲くという。

ということは、写真のタンポポは外来種、もしくは雑種のタンポポなのだろう。タンポポにもいろんな種類があることを知ってとても勉強になった。冬に咲くタンポポの短歌も作りたいと思った。

さて、次回のブログは、12月24日(日)に更新する予定だが今年最後のブログとなる。そこで次回は本のレビューはお休みして、今年一年の短歌の振り返りと来年の抱負を書きたい。ぜひ、今年最後のブログも読んでもらえると嬉しい!

じゃあな。

(次回は、12月24日(日)に更新予定)

2 件のコメント

  • 張飛さん、おはようございます♪

    産経歌壇掲載おめでとうございます!
    もう常連ですね!
    「ぶろっこりー」と言った子どもの感性も凄いけれど、それを捉えて歌にする張飛さんの感性もすごいですね。
    子どもは「ブロッコリー」じゃなくて「ぶろっこりー」と言っているところが凄い。

    張飛さんのところはたんぽぽが咲いているのですね。
    私のところは昨日初雪が降りました。
    来月のブログ楽しみにしています。
    忘れずにやってくるのでよろしくお願いします!

    • まこと、ブログ読んでくれたうえにコメントもくれてありがとう!

      感性を誉めてくれて凄く嬉しいぜ!最初は「ブロッコリー」で投稿しようと思ったんだが、「ぶろっこりー」にした方が幼い子供が言っている雰囲気が出るような気がしてひらがなにしたんだ。推敲して本当に良かったよ!

      おお、もう初雪が降ったのか!俺の住んでる所は、1月とか2月に少し降るくらいでここ10年くらい積もった記憶がないなあ。かまくらとかを作った子供の頃が懐かしいよ。

      ブログを楽しみにしてくれているなんて、こんな嬉しいことはないぜ!また、楽しんでもらえるブログにできるように次回の今年最後のブログも頑張るよ!

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